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銀座美術めぐり
- 2009-08-11 (火)
- Event | Exhibition
1、2日で学校でのイベント事を終え、やっとこさ夏休みに入った。
このあいだの土日に用事があって東京に出向く。
空いた時間を見繕って美術巡りをした。主に銀座界隈で。
『石上純也 + 杉本博司』 ギャラリー小柳 http://www.artphoto-site.com/guide676.html
まず石上と杉本が「+」という記号で結ばれる理由が不明瞭だった。単に「建築」という括りにしか共通点を見出せなかったので石上氏の作品に対しては無知ということでスルーする。
杉本氏の写真美術に対する考え方は徹底されている。人や物の考古学性、民俗学性に焦点をあて、それらが何年も培ってきた記憶を表出させるかのように像におさめる。その像に写るのは人や物に宿る「霊感」である。霊感を印画紙上に表出させる行為こそ杉本が写真技法なのだと思うが、その一方で「建築」という技法を用いた表現方法も彼は模索し続けている。
それが今回の展示のメインであった。白金のプリズムハウスを撮影した写真や直島に新たに建築した護王神社の模型はいつ見てもすばらしい。なんつっても構造的だ。構造的であるが故に、理路整然とした説得力が作品から漂っている。対象が築いてきた何百年にも渡る歴史を杉本氏は綿密なリサーチのもとに表象化しているからだろう。
写真であるか建築であるかは写す対象によって判断していると思う。根本的な歴史観からのアプローチであることは変わらず、太古から其処にあるという事実を決定的に証明する「土地」というものの遥かなる記憶=霊感をあぶり出すには「建築」という技法が最適なのだろう。
『ヘルシンキ・スクール写真展』 資生堂ギャラリー http://www.shiseido.co.jp/gallery/exh_0906/html/index.htm
ヘルシンキ・スクールはフィンランドはヘルシンキ芸術デザイン大学から生まれた美術グループであるという。そこから代表する4人の女性写真家のランドスケープな写真展。
4人のなかで一番気になったのはサンドラ・カンタネンという写真家の作品だった。水面に映る木々を写した写真の上に、まるで写真のピントを絵筆でぼかすかのように抽象的なドローイングを施して仕上げている(詳細な技法は不明)。出来上がったのはさながらモネなどの印象絵画のようだ。写真ではない「なにか」を作品自体に感じさせる技法は興味深い。同じようにプリント後に手を加える技法をとる写真家として多和田有希の消しゴムドローンイグ写真を思い出した。他にもいるかもしれないが思い当たらない。
『L_B_S / 名和晃平』 メゾンエルメス http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/5C67
前の資生堂ギャラリーもそうだったけど、入り口にドアマンが立っている場所というのは僕みたいなの一人では非常に入りづらい。ギャラリーにたどり着くまで無駄に緊張した。
「細胞(cell)」という概念を彫刻の方法論として三つの展開で提示している。うち二つは個人的にピンと来なかったが「LIQUID」という作品は別格だった。水槽状の箱の中に入っているシリコンオイルを白く発光させ、グリッド状に泡を発生させる。それだけなのだが、その無機質な白い界面の連続は観るものに麻酔的に作用させ、異常に気持ちのよい感覚を得ることができた。
「白」とか「泡」とかいった単発的なイメージがこうも中毒性を帯びて視覚に作用するとは思わなかったので良い経験になった。この構造についてはいずれ深くリサーチしてみたいと思う。
〈番外〉
『⌘0001 BXYTEMAC:Intoroduction』 Super Deluxe(六本木) http://bxytemac.is-mine.net/simpleVC_20090513212750.html
友人が参加していたのとスーパーデラックスに行ったことなかったので行ってみた。写真のスライドショーが、” ある程度作家性を持った写真家たち”が”ハコ”の中で”イベント”として行われるのを観るのは初めての経験だったのでどんな風になるのか非常に興味深かったのもある。
結論としてアリかナシかと言われればアリな気がする。しかしそこにはもっと写真作品と作家の指向性ってやつが十分に煮詰められたうえで、「誰が」「何処で」「何のために」やるのかということを熟慮する必要性があるような気がした。なんて、まぁ、展示とかイベントとかは得てしてそういう思慮があるべきだろうものではあるが、スライドショーイベントなんていう広く認知されてないイベントは尚更だと思う。一部の写真が持つ重みと会場の雰囲気の軽妙さの間に生じるズレとかには強い違和感を抱かざるを得ない。
ただ写真展示の方法論として面白そうではある。三面プロジェクションの演出にはそれぞれ違いがあって楽しめたし、いつかまたこういうイベントがあったら観てみたいと思う。自分でもやってみたら存外面白いイベントになるのでは、なんてのも思ったり。
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